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2019年9月11日水曜日

恩寵の扉を見たバスケットボール日本男子代表が直面する事実

バスケットボール男子日本代表は5敗で32チーム中31位という成績を残し、2019年のワールドカップを戦い終えた。

メディアや世論は八村塁の昨今の活躍を注目し、代表チームがワールドカップで躍進すると期待値を高めたが、それとは裏腹に世界の高い壁を知る大会となった。バスケットボールは個人ではなくチームスポーツだと再確認できただろう。

実際にワールドカップで日本代表が戦った5試合をチームデータから振り返ってみると、相手には最低でも80点以上獲られ、また相手のフィールドゴール%もリバウンドもなかなか痛烈な結果出ている。

その中でも以下のシュートアテンプト(試投数)の差が顕著であるのはご存知だろうか。

Team, FGA, 3FGA, FTA, (FGA+3FGA) 
Japan 53, 23, 21 (76)-(97) 72, 25, 4 Turkey
Japan 57, 13, 18 (70)-(97) 72, 25, 14 Chezh
Japan 63, 19, 12 (82)-(120) 81, 39, 12 USA
Japan 59, 25, 27 (84)-(94) 63, 31, 17 New Zealand
Japan 57, 17, 23 (74)-(101) 70, 31, 9 Montenegro

ニュージランド戦では10本の差だったものの、それ以外の試合では20本以上の試投数の差がある。これが何を物語っているかというと、リバウンド、50/50のルーズボール、ターンオーバー、スティール、ブロックなどから産み出されるチャンスの数が圧倒的に相手に軍配が上がっているという事だ。

そして興味深いのがフリースローの試投数だ。相手チームと比較すると一見して多くのシュートファウルのチャンスをもらっているようにも思えるが、実は相手のフリースローの試投数が少ないという事だ。これはディフェンスにおいて如何に接触とアグレッシブさが欠如してるかを意味している。







代表監督のフリオ・ラマス監督は総括としてこう述べる。

フリオ・ラマス監督もチェコ戦後に「W杯で1勝でも挙げるためには(チェコ戦の)89失点は多すぎ。そこは抑えなければならない」と言及。ダブルスコアで大敗した米国戦後にも「我々がやるべきことは、フィジカル面、身体能力の強化、それを使ったコンタクト(接触)の改善」と一貫していた。

そしてチェコメディアは、

「リバウンドだと思う。W杯のような試合では、リバウンドが大きな要因になる。これが一番大きな弱点。彼らのシュートは良い。サイズの問題だと思う」と断言していた。
 https://the-ans.jp/news/81746/

つまり、ディフェンス、リバウンド、そして身体能力の強化を無くしては日本はワールドカップは戦えないと現場や対戦国も認識しているのである。これが事実であり日本男子代表はまだスタート地点に立ったところだ。

この世界基準とのズレを認識することで改めてやるべき事が見えてくるのではなかろうか。

ラマス監督は続ける。

「チームの平均身長(今大会は199センチ)は徐々に上げているつもりです。私が(17年7月に)就任した1年目が191.7センチだったのと比べたら、上げた効果がコートに出ている。ディフェンスは改善してきているし、これからも取り組んでいく。これからも世界基準の大会でワールドクラスに対応するために、サイズを意識して入れないといけない。
サイズを意識して入れないといけない。確かに他の世界チームの平均身長は200センチを超えることが多い。だとすれば間違いなく世界基準とのズレはサイズ。

「米国や欧州と比べると、日本はコンタクトの少ないリーグ。国内ではなかなか経験できないが、我々でトレーニングする時は意識していきたい。フィジカルコンタクトは直していけると信じている。1年ではなかなか改善できないが、長い目でやりたいと思う。」
 海外と日本のリーグのコンタクトの差は顕著だ。これは審判の笛の軽さやファウルの認識誤差も含めて日本人選手が戸惑う大きなズレ。

サイズとフィジカルコンタクト。今までのやり方や慣例では通用しないのであれば変えていくしかない。世界一位はアメリカ代表でスペイン、アルゼンチン、セルビア、オーストラリアなどの強豪はそこを撃破するために大型化はもちろん技術面でも強化している。

技術面だけでなく大型化も取り組んでいるのが世界基準。日本らしいバスケットボールを見つめ直す時期にきているのかもしれない。

2017年10月13日金曜日

Bリーグの1つの見方

Bリーグが開幕してから2年目のシーズンとなり、初年度から注目して見ているスタッツがトリプルダブルとダブルダブル。昨季のNBAのシーズンはトリプルダブルが量産された年となり、MVPを獲得したラッセル・ウェストブルックがオスカー・ロバートソンの1シーズンの記録を更新した事も記憶に新しい。そして彼はポイント・ガードである。

さて、Bリーグの話に戻り、なかなかスタッツとして出てこないトリプルダブルとダブルダブル。そのトリプルダブルを昨季唯一達成したのが、今回日本代表に初選出された宇都選手。代表に選出されていないのが驚きだったものの、今シーズンもスタッツは上向き。

今アメリカの選手育成の現場で求められているのは、かつて以上の「多様性」。身体能力に加え、1から5までのポジションを守れ、多彩なスキルを兼ね備えた育成がフォーカスされている。かつてのジョーダンがそうだったように。

まだ日本人選手としては1人しか出ていないBリーグ。今シーズンはどれだけのトリプルダブル、ダブルダブルを記録する選手達が出てくるのか。楽しみにしてみたい。

http://fibaworldcup2019-asian.japanbasketball.jp/2017/10/11/news


2016年10月6日木曜日

【番外編】B.LEAGUEが歴史的なスタートを切ったからこそ敢えて問いたい。What's the next step?

外国籍選手を限定したバスケットボール・リーグとはどういう事を意味するのだろう?
 

リーグ統一というハードルを超えて、歴史的なスタートを切ったB.LEAGUE。一歩進んでいるのは喜ばしい事。だからこそ今、敢えて問いたい。

Bリーグには外国籍選手の「オンザコート」と呼ばれるプレイタイムの制限がある。xxxの時間帯という時点でややこしいのだが、バスケットボールを知らない人が分かるルールになっているのだろうか?「なんであの人出てないの」と問われる競技に公平性はあるのだろうか?公平性の無い競争とはなんだろう?これで観客動員数の増減は見込めるのだろうか?排他的規則は多様性を求める世界の流れとは逆行しているが、これで進歩できるだろうか?国際化された社会の中でインバウンドを目指す国内、観光客が試合観戦したいと思うだろうか?どこの層の観客動員数の増加を目指すのだろう?これは未だ不可解な疑問だ。

川淵氏の言う観客動員数が評価の基準であれば、観客動員数を増員するのに必要な事は何だろうか?アトラクションやイベントのタイアップでバスケットボール以外に力を入れる事だろうか?いわゆる「体育館」では無く、アリーナという設備を充実させる事だろうか?それとも超越したプレイで人を魅せる選手や、白熱試合を展開できるバスケットボールの本質的なとこだろうか?おそらく全てだろう。しかしながら、誰に観てもらいたいのだろうか?マニアだけなのか?それとも将来のある若い世代だろうか?世界中にだろうか?

世界の舞台で通用する選手育成も伴っているのがBリーグ。世界の舞台で通用するってなんだろう?選手の技術レベルの向上と世界トップレベルの試合体験なのだろうか?バスケットボールはチームスポーツ、限定された数の選手に基づいた戦略を立てる事は、世界の舞台で通用するチーム戦略をうちたてる事になるだろうか?誰かに頼るだけの団体競技とはなんだろう?限定された戦略の中での育成とはなんだろうか?

育成とはなんだろう?経験だろうか?限界や壁にぶつかり、失敗してドーパミンが出て初めて神経系の学習が起こり経験となる。同じレベルの選手が多く平均的な集合の中で、限界や壁にぶつかる事はあるだろうか?限界や壁とはなんだろう?日々向上していくとはどういう事だろう?目標を立てて超えていくとはなんだろう?Push yourself.

規制(ルール)はゲームにどういう影響を及ぼすのだろう?バスケットボールのルールは年々変化している。今のNBAはOff the dribble(ドリブル主体の)のオフェンス展開が主流になってきている。これは90年代以前のハンドチェックやフレグラント・ファウルの欠如があって生まれた産物。ルールの変化はバスケットボールのゲームに影響をもたらす。さて、規制された外国籍選手の登録数や出場時間。バスケットボールのゲームに影響が無いと言えるだろうか?同じプロであるNBAや海外のプロが世界の舞台で行う同じ競技と言えるのだろうか?Different rules, different game.

ひとまず統合一本化の壁は超えた。敢えて問いたい。次の限界や壁はなんだろう?What's the next step?


B.LEAGUEのルール。

SMB7S Coach Seita



2016年7月15日金曜日

日本代表が今やるべき事は田臥のようなリーダーをどんどん増やす事であり敗退したのはプロセス。

山頂までの距離がひとまず見えた大会


バスケットボールの男子日本代表が先日、リオ・オリンピック予選(FIBA QQT)で敗退した。アカツキ・ファイブに勝ったラトビアとチェコ。そしてラトビアとチェコに勝ったセルビアとプエルトリコ。そしてセルビアの優勝となったこの予選。アジアのチームがFIBA QQTで勝利した事は無いらしく、想定内の結果。しかしながら、決して落胆する必要は無い。

敗退はプロセス

プロセスは日本語に言い換えると過程や途中と訳される言葉。目的を持った何かを成し遂げる時に必ず出てくる考え方がプロセス。長らく国際大会に出ていない日本代表に経験が無いのは当然で、ここから段階的に登頂にまで至るプロセスが必要。このプロセスで如何に改善を繰り返し続ける事が出来るかが重要。

日本代表が今やるべき事

今回の予選で1番驚いたのは、試合内容では無く試合後のプレスカンファレンスでの長谷川監督と田臥選手の受け答え。特に田臥選手の自信のある受け答えと、言動の中身は芯が通っており、経験値とマインドセット、リーダーシップが備わっていると一目瞭然だった。そして、日本代表がやるべき事はまさにこういう選手、人材、スタッフ、監督をどんどん育てる事。Bリーグが始まる新たなスタートだけに、もっともっとグローバルに、外向きに、臆すこと無く負けを重ねていってもらいたい。

https://www.youtube.com/watch?v=VivxInXnSF4

SMB7S Coach Seita