2019年9月25日水曜日

シューティングフォームよりもストーリーに目を向けた方がいい。

一昔前にNBAにレジー・ミラーと呼ばれる選手がいた。当時の選手の中でも細身の長身で気が強いのが印象だった選手。コート上にあるスクリーンを使ってハーフコートの中を縦横無尽に駆け巡り、 キャッチ・アンド・シュートする姿が今でも思い起こされる。そんなレジーだが、決してシュート・フォームが綺麗な選手では無かった
 He shot .471 from the field, .395 from 3-point range and .888 from the free throw line.
レジーは選手として、フィールドゴール率47%、スリーポイント率39%、フリースロー率が88%と輝かしいシューターとしての成績を残している。また、スリーポイントの率では2度、フリースロー率では5度、NBAの頂点に立ち、68回連続スリーポイント成功や、通算スリーポイント成功本数が歴代2位など、様々なシューターとしては超一流の偉業も達成している。

シュートフォームは確かに効率性や精密度を上げるのには重要かもしれないが、 フォームはあくまでフォームであって答えではない。それよりも目を向けないといけない物があり質問すべき事が他にある。選手が自身を持って打てているのであればそれはその選手のフォームなのである。そしてそのフォームは繰り返される練習と日々の努力で洗練されていく。一夜漬けの手直しでは出来上がらない。

じゃあ何に目を向けなければいけないのか?
 シュートが入らない事がシュートフォームと結論付けているのなら、そこには答えは見つからないだろう。シュートを打つまでにはストーリーがある。

パスを投げる仲間がいる。パスを受け取る自分がいる。ボールに向かって走っているのか?ボールから遠ざかっているのか?動いていないのか?ボールはキャッチする方向に飛んできているのか?キャッチした手の位置はどこなのか?その時はどちらの足でステップを踏んているのか?リングはどこにあるのか?どういう角度で体が向いているのか?足の角度は?自分についているディフェンスとの距離は?左に回転するのか?右に回転するのか?それとも真上にジャンプするのか?タイミングは?

こういうストーリーの中の一部としてシュートフォームを気にするのであれば、それはおそらく正しい分析に辿り着くだろう。そしてシュートに至るまでのストーリーを理解できた時、基礎的な要素が、フットワークが、角度が、タイミングが、仲間との連携が、如何に一本のシュートを成功させるのに重要であるかが分かるだろう。

シューティングフォームよりもストーリーに目を向けた方が、選手もコーチも親も幸せになれる。

 Courtesy of NBA


参考:
https://www.nba.com/pacers/gallery/hardwood-classics-31-photos-reggie-miller-flo-jo-jersey#
https://en.wikipedia.org/wiki/Reggie_Miller

2019年9月24日火曜日

【バスケをはじめる君へ】ドリブルとシュートを繋げてみよう

障害物を避けること

ドリブルに自身がついてきたら障害物を避けて抜き去る動きを作ってみよう。コーンでもペットボトルでもいいから、障害物になりそうな物を見つけてコートの両ウィングに置く。リングから見て45度の位置。初めは遅いスピードでも良いので、障害物の手前でクロスオーバーをしてドリブルで抜き去ってリングまでシュートできるかやってみよう。


大切なポイントは3つ

1.ドリブルで抜き去るイメージと動きを作る。
2.シュートの手前で両足でジャンプ・ストップの動きを作る。
3.シュートを確実に決めれるようになる動きを作る。

イメージを作ること

障害物はあくまで障害物だけども、人のように動くとイメージするのも大事。そしてドリブルから始まってシュートを入れるところまではイメージする。相手を揺さぶる、抜き去る、ジャンプストップする、簡単なシュートを決める。この一連の流れをスムーズにできるようになるのが目的。

クリエイティブに自分で考える

クロスオーバーやドリブルの緩急、右を抜く、左を抜く、右足で抜く、左足で抜く、そしてヘジテーションなど、どうやったら相手がブレるのかをイメージしていろいろ試してみる。何事も挑戦してみて慣れることが重要。

よくある失敗

左右は必ず同じバランスで練習する。利き手だけ、片方のサイドだけ、などなるべく偏らないように。ドリブルのあと、フィニッシュまでいけてシュートまでいけるのが理想だが、初めからシュートが入る事にこだわりすぎない。まずは形を作ること。両足で止める、簡単なシュートまでいける、こと。


 

2019年9月16日月曜日

FIBAワールドカップ2019はスペインが優勝した。だからこそスペインに学ぶ何かがある。

FIBAワールドカップ2019はスペインがアルゼンチンとの決勝戦を制し3大会ぶりの優勝を果たした。これで過去4大会ではアメリカが2回、スペインが2回と五分の成績だ。

思い起こせば2008年の北京オリンピックのコービー、レブロンを擁したリディームチームも最後の最後までスペインに苦しめた末の金メダルだった記憶も蘇る。

コービー曰く、「世界がUSAに追い付きつつあるのでは無い。もう世界はUSAに追い付いてしまっているという事だ。USAが勝利する事もあれば、負ける事もある。そういう時代だ。」
"It's not a matter of the rest of the world catching up to the USA. It's a matter of the rest of the world has been caught up for quite some time," Bryant said. "It's come to the point where we, as the USA, are going to win some, we're going to lose some. And that's just how it goes."
https://www.fiba.basketball/basketballworldcup/2019/news/rest-of-the-world-has-been-caught-up-with-usa-for-some-time-kobe-bryant

確かに2008年の北京オリンピックの時点では追い付かれていたのかもしれない。スーパープレイヤーのスーパープレイが辛うじて勝利の場面を演出できたからこそのUSAの金メダルだったのかもしれない。それが事実であれば、世界からスーパースターがどんどん排出されていけば、もうUSAの独壇場は無くなるのではなかろうか。

スペイン代表チームは平均身長が200cm(6フィート7インチ)で平均年齢が30歳。最低身長は188cmで、最高がガソルの215cm。そして今大会の司令塔はルビオ(193cm)がMVPを獲得した。チームの4名のNBA選手を除けば、ほとんどがスペインのリーグに名を連ねる集団だ。

http://www.fiba.basketball/basketballworldcup/2019/team/Spain#|tab=roster,average_statistics

スペインに学べる事には何があるのか?なぜUSAでは勝てなくなっているのか?

 それは継続性であり、基本に忠実であり、大型化であり、個人技もあるが、基本に忠実な組織の動きがあるからだ。5人が5人として機能する事。これを無駄なく洗練させているのが今のスペイン。そして2008年の有名選手が今大会に参加してなくても勝てるだけの層の厚さ。スペインには学ぶべき何かがある。


2019年9月11日水曜日

恩寵の扉を見たバスケットボール日本男子代表が直面する事実

バスケットボール男子日本代表は5敗で32チーム中31位という成績を残し、2019年のワールドカップを戦い終えた。

メディアや世論は八村塁の昨今の活躍を注目し、代表チームがワールドカップで躍進すると期待値を高めたが、それとは裏腹に世界の高い壁を知る大会となった。バスケットボールは個人ではなくチームスポーツだと再確認できただろう。

実際にワールドカップで日本代表が戦った5試合をチームデータから振り返ってみると、相手には最低でも80点以上獲られ、また相手のフィールドゴール%もリバウンドもなかなか痛烈な結果出ている。

その中でも以下のシュートアテンプト(試投数)の差が顕著であるのはご存知だろうか。

Team, FGA, 3FGA, FTA, (FGA+3FGA) 
Japan 53, 23, 21 (76)-(97) 72, 25, 4 Turkey
Japan 57, 13, 18 (70)-(97) 72, 25, 14 Chezh
Japan 63, 19, 12 (82)-(120) 81, 39, 12 USA
Japan 59, 25, 27 (84)-(94) 63, 31, 17 New Zealand
Japan 57, 17, 23 (74)-(101) 70, 31, 9 Montenegro

ニュージランド戦では10本の差だったものの、それ以外の試合では20本以上の試投数の差がある。これが何を物語っているかというと、リバウンド、50/50のルーズボール、ターンオーバー、スティール、ブロックなどから産み出されるチャンスの数が圧倒的に相手に軍配が上がっているという事だ。

そして興味深いのがフリースローの試投数だ。相手チームと比較すると一見して多くのシュートファウルのチャンスをもらっているようにも思えるが、実は相手のフリースローの試投数が少ないという事だ。これはディフェンスにおいて如何に接触とアグレッシブさが欠如してるかを意味している。







代表監督のフリオ・ラマス監督は総括としてこう述べる。

フリオ・ラマス監督もチェコ戦後に「W杯で1勝でも挙げるためには(チェコ戦の)89失点は多すぎ。そこは抑えなければならない」と言及。ダブルスコアで大敗した米国戦後にも「我々がやるべきことは、フィジカル面、身体能力の強化、それを使ったコンタクト(接触)の改善」と一貫していた。

そしてチェコメディアは、

「リバウンドだと思う。W杯のような試合では、リバウンドが大きな要因になる。これが一番大きな弱点。彼らのシュートは良い。サイズの問題だと思う」と断言していた。
 https://the-ans.jp/news/81746/

つまり、ディフェンス、リバウンド、そして身体能力の強化を無くしては日本はワールドカップは戦えないと現場や対戦国も認識しているのである。これが事実であり日本男子代表はまだスタート地点に立ったところだ。

この世界基準とのズレを認識することで改めてやるべき事が見えてくるのではなかろうか。

ラマス監督は続ける。

「チームの平均身長(今大会は199センチ)は徐々に上げているつもりです。私が(17年7月に)就任した1年目が191.7センチだったのと比べたら、上げた効果がコートに出ている。ディフェンスは改善してきているし、これからも取り組んでいく。これからも世界基準の大会でワールドクラスに対応するために、サイズを意識して入れないといけない。
サイズを意識して入れないといけない。確かに他の世界チームの平均身長は200センチを超えることが多い。だとすれば間違いなく世界基準とのズレはサイズ。

「米国や欧州と比べると、日本はコンタクトの少ないリーグ。国内ではなかなか経験できないが、我々でトレーニングする時は意識していきたい。フィジカルコンタクトは直していけると信じている。1年ではなかなか改善できないが、長い目でやりたいと思う。」
 海外と日本のリーグのコンタクトの差は顕著だ。これは審判の笛の軽さやファウルの認識誤差も含めて日本人選手が戸惑う大きなズレ。

サイズとフィジカルコンタクト。今までのやり方や慣例では通用しないのであれば変えていくしかない。世界一位はアメリカ代表でスペイン、アルゼンチン、セルビア、オーストラリアなどの強豪はそこを撃破するために大型化はもちろん技術面でも強化している。

技術面だけでなく大型化も取り組んでいるのが世界基準。日本らしいバスケットボールを見つめ直す時期にきているのかもしれない。