メディアや世論は八村塁の昨今の活躍を注目し、代表チームがワールドカップで躍進すると期待値を高めたが、それとは裏腹に世界の高い壁を知る大会となった。バスケットボールは個人ではなくチームスポーツだと再確認できただろう。
実際にワールドカップで日本代表が戦った5試合をチームデータから振り返ってみると、相手には最低でも80点以上獲られ、また相手のフィールドゴール%もリバウンドもなかなか痛烈な結果出ている。
その中でも以下のシュートアテンプト(試投数)の差が顕著であるのはご存知だろうか。
Team, FGA, 3FGA, FTA, (FGA+3FGA)
Japan 53, 23, 21 (76)-(97) 72, 25, 4 Turkey
Japan 57, 13, 18 (70)-(97) 72, 25, 14 Chezh
Japan 63, 19, 12 (82)-(120) 81, 39, 12 USA
Japan 59, 25, 27 (84)-(94) 63, 31, 17 New Zealand
Japan 57, 17, 23 (74)-(101) 70, 31, 9 Montenegro
ニュージランド戦では10本の差だったものの、それ以外の試合では20本以上の試投数の差がある。これが何を物語っているかというと、リバウンド、50/50のルーズボール、ターンオーバー、スティール、ブロックなどから産み出されるチャンスの数が圧倒的に相手に軍配が上がっているという事だ。
そして興味深いのがフリースローの試投数だ。相手チームと比較すると一見して多くのシュートファウルのチャンスをもらっているようにも思えるが、実は相手のフリースローの試投数が少ないという事だ。これはディフェンスにおいて如何に接触とアグレッシブさが欠如してるかを意味している。
代表監督のフリオ・ラマス監督は総括としてこう述べる。
フリオ・ラマス監督もチェコ戦後に「W杯で1勝でも挙げるためには(チェコ戦の)89失点は多すぎ。そこは抑えなければならない」と言及。ダブルスコアで大敗した米国戦後にも「我々がやるべきことは、フィジカル面、身体能力の強化、それを使ったコンタクト(接触)の改善」と一貫していた。
そしてチェコメディアは、
「リバウンドだと思う。W杯のような試合では、リバウンドが大きな要因になる。これが一番大きな弱点。彼らのシュートは良い。サイズの問題だと思う」と断言していた。https://the-ans.jp/news/81746/
つまり、ディフェンス、リバウンド、そして身体能力の強化を無くしては日本はワールドカップは戦えないと現場や対戦国も認識しているのである。これが事実であり日本男子代表はまだスタート地点に立ったところだ。
この世界基準とのズレを認識することで改めてやるべき事が見えてくるのではなかろうか。
ラマス監督は続ける。
「チームの平均身長(今大会は199センチ)は徐々に上げているつもりです。私が(17年7月に)就任した1年目が191.7センチだったのと比べたら、上げた効果がコートに出ている。ディフェンスは改善してきているし、これからも取り組んでいく。これからも世界基準の大会でワールドクラスに対応するために、サイズを意識して入れないといけない。サイズを意識して入れないといけない。確かに他の世界チームの平均身長は200センチを超えることが多い。だとすれば間違いなく世界基準とのズレはサイズ。
「米国や欧州と比べると、日本はコンタクトの少ないリーグ。国内ではなかなか経験できないが、我々でトレーニングする時は意識していきたい。フィジカルコンタクトは直していけると信じている。1年ではなかなか改善できないが、長い目でやりたいと思う。」海外と日本のリーグのコンタクトの差は顕著だ。これは審判の笛の軽さやファウルの認識誤差も含めて日本人選手が戸惑う大きなズレ。
サイズとフィジカルコンタクト。今までのやり方や慣例では通用しないのであれば変えていくしかない。世界一位はアメリカ代表でスペイン、アルゼンチン、セルビア、オーストラリアなどの強豪はそこを撃破するために大型化はもちろん技術面でも強化している。
技術面だけでなく大型化も取り組んでいるのが世界基準。日本らしいバスケットボールを見つめ直す時期にきているのかもしれない。





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