様々な障壁 
日本で活躍していた選手がアメリカに来ると、必ずと言って良い程何かの壁にぶつかる。それはもちろん身体能力の違いから体験する「障壁」、コミュニケーションの違いから体験する「障壁」、環境や文化やルールに至るまで、様々な「障壁」に出くわすのである。経験した事の無い「障壁」を超えるには、やはりその「障壁」を経験し、周りの協力を得る中で、選手自身が試行錯誤をしていかなければならない。そして、この段階を乗り越えて行くには大事な「要素」が1つある。
編み出す力
編み出す力というのは、つまり、自分で答えを導き出す力であり、そこには自分自身で考え、問いかけ、試行錯誤する中で、(1つの)答えを出すプロセスである。それは創造性を伴い、(1つの)答えが間違っていても構わないのである。また、(1つの)答えを出す事が終点ではなく、継続して自問自答し、編み出し続ける事で、選手としても人間としても次のステージに、更なる高みに進めるのだと思う。
どう育成するのか?どうコーチングするのか?
「編み出す力」を持てる選手をどう育成するかが至上命題である。さてどうしたものか?参考記事にもあるように、”「答え」を与えるから自分で考えなくなる”  のはその通りである。型にハマり過ぎた育成。また、何もかも手取り足取り教えられていては「答え」を出せる選手は育たない。答えを教えられた選手は、短期的にはその現場で通用する選手には育てあげられる。しかし冒頭で述べたように、環境が変わったり、次のステージに進む場合、本質的に通用する選手となり得るかどうかには疑問が残る。あのコーチがいないから、これを教えてもらっていないから、どうしたら良いの?では困るのである。ではどうすれば良いのか?”答えを教えない育成が重要になってくる”。 
教えないという事
点と点を結ぶと線になる。という表現があるが、筆者はこの言い回しが好きだ。これは教えないという事の本質的な意味ではないかと思う。例えば1つのスキルを習得するにしても、ストレングス・トレーニングにしても、なぜこのスキルを習得する必要があるのか?なぜこのトレーニングをする必要があるのか?そういう意識が選手自身に芽生えないと発見ができない。発見が出来た時に初めて点と点が繋がり線となるのである。これが技術習得と応用に繋がり、更なる技術の洗練や未知の分野の発見へと繋がる。「ベンチプレスが200kg以上あげられたけど、それってバスケをするのに何の意味があるの?」と聞かれた場合、選手が答えられないといけない。そして、点と点が結ばれて線になっていないと、選手は答えられないのである。ひょっとしたら意味が無いのかもしれない?とその時気づいたりするかもしれないのである。
最後に、答えを教えないという技術はとても難しいが、次世代の育成にはとても重要な事だと考えている。選手にヒントを与えたり、一緒に考え、発見をできるように導き出せるのが本来のコーチの姿だと信じる。更には、必ずしもこれはコーチでなくても良いのである。テレビで観た選手であったり、本に出てくる話や、ゲームのキャラクター、学校の友達、何であってもよい。大切な事はキッカケと気づきを自分自身が見つけられること。
参考:http://benesse.jp/kosodate/201801/20180104-1.html
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