2018年1月22日月曜日

組織のためにやるのか、子供のためにやるのか。


アメリカでいわゆる”チームに入る”(organized sport) 形式で子供達がバスケットボールを始めるには早くて4歳〜5歳ぐらいから可能だ。地元のレクリエーションパーク(市が運営する公園)が季節事に実施するものから、非営利団体、民間のスポーツ施設などでも幼稚園になれば6歳ぐらいから始める事できる。団体によって実施期間や運営事情は異なるが、多くの場合、週一度の練習、そして週末に試合という形をとる。コーチにはチームに所属する経験者の親、もしくは最適な人物がボランティアという事でその期間運営される。

 また、”チームに入る”形とは別に、スキルトレーナーをつけて技術を養ったり、スクールに通い技術を洗練させる、いわゆる塾のような形でバスケットボールを習得するやり方もある。そして多くの場合、前者のようなチームに入った選手達がスクールにて技術補填をするため掛け持ちで行う事もある。 流石アメリカと思わせる点においては、至るところにバスケットボールのリングが公園の外には備え付けられるいる事が多いため、ボールさえあればいつでも練習ができる環境がある。環境おいては文句無しである。

しかしながら、こういう問題点もある。

勝敗に終始し結果主義なユースリーグが多くある。そこではゾーンディフェンスが用いられ、不公平なプレイングタイム、そして子供相手に怒鳴るコーチから生まれ結果として勝敗の重圧にかけられた子供達にはストレスな環境が作られる。
ドン・ケルベック氏によるとオーガナイズド・ユーススポーツに入った子供達の80%が13歳までにはやめてしまうAAHPER(アメリカ健康体育レクリエーション協会)から報告されている。
There are so many youth basketball leagues that are win-loss leagues which focus on the end result of whether the kids win or lose the games and that's it. They play zones, have unequal playing time, and create a stressful environment with coaches yelling at the kids and placing the unwanted pressure of winning & losing on them. 
Don Kelbick informed us about a recent study by AAHPER revealed that over 80% of kids who play in organized youth sports no longer play that sport after the age of 13. 
 つまり早い段階で、競技の基礎も情熱も備わっていない子供達をそういう環境におくのは、短期的には結果を出せても、長期的にバスケットボールを熟練するための在り方では無いという事が分かる。それはコーチが経験の無い親が責任を持つ事の危険性は極めて高く、スキルレベルに合わないチーム構成や、リーグ規約の不具合がもたらす問題点もある。コーチの哲学が正しくあったとしても、組織の都合で本来あるべき子供にあった成長をもたらしていなかったりする。組織の都合と子供の都合は別の問題だと切り分けなければならない。基礎なくして応用はなく、情熱や楽しみなくして先は無いのである。

再度確認したいのがUSAバスケットボール協会が発行している年齢相応の練習内容。以下は6歳〜9歳の場合。

目的:基礎的な動作を習得する。(モータースキルの構築)週1〜2回程度のバスケットボール、そして別の競技も日々行うと更に効果を増す。ゲーム感覚でやる競争はどのフェーズにおいても勧めるが、5対5の対人はかなり後の段階でコンセプト(原理)を教えるに留める。基礎ができるまでは5対5は行わない。
OBJECTIVES: Learn all fundamental movement skills (build overall motor skills). Participation once or twice per week in basketball, but daily participation in other sport activity is essential for further excellence. Special game competitions recommended throughout the phase. Introduction to 5 x 5 principles/concepts only in late phase, avoiding actual 5 x 5 competition until fundamentals are further developed.
結論としては、 スキルや基礎に重きをおき、子供が楽しめるだけでなく、自分からやりたいと思える環境であるかどうかの確認。そして正しいアティテュード(態度、精神)で取り組めている事。また、試合で結果をすぐ出す事に終始せず、勝敗至上主義的な練習が行われていないか注視し、保護者としては子供が楽しんでいる姿を確認しつつも、忍耐強く子供を見守ってあげる事が重要である。



追記:急がば回れ。能動的に教える事は必ずしも解決策ならず。機が熟すのを待て。

参考:
https://www.breakthroughbasketball.com/coaching/developmental-league.html 
https://www.usab.com/youth/development/youth-development-player-development-curriculum.aspx





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