原因と結果から想定へ
フィルム・スタディという言葉がある。つまり試合の動画を見て分析し観察すること。コービー・ブライアントはこの試合動画を分析する上で、なぜ?そういう結果になるのか、細部に拘った分析をする。そしてキャリアを重ねるにつれて、このなぜ?(そのシチェーション)がそうなったのか、結果と原因の因果関係を分析するだけでなく、(そのシチェーションでは)どうあるべきか?どういうオプションがあるのか?どういう代替策があるのか?いろんな想定にまで及ぶ。
フットワークは効率性
ディフェンスとのギャップ(隙間)を作り出すのは瞬間的な動きだ。目や、足や、肢体の位置で効率的に相手を動かす事が鍵になる。だからドリブルも実際は1つ2つで十分な事が多い。フットワークには大きく分けて2種類ある。ドリブルをした中での動き。そしてボールをキャッチした後の動き。NBAでは多くの選手が前者を練習しているが、コービー・ブライアントは後者を重視した後、前者をマスターした。ピボット。リバース・ピボット、インサイド・リバース・ピボット、アウトサイド・リバース・ピボット。それらをマスターした後にビハインド・ザ・レッグス、ビハインド・ザ・バック、クロスオーバーをマスターした。
適材適所とチャンピオン
ビル・ラッセルが幾度も優勝したのは偶然ではなく理由がある。そしてコービー・ブライアントが師事した理由は、彼の適材適所にあったチームメイト各々が自分達の役割に専念できた事を語っているからだ。ビル・ラッセルはボールハンドリングもシュートも下手くそだと批判されたのをよく覚えている。しかし、なぜボブ・クージーという屈指のガードがいるのにハンドリングが上手くなければならないのか?なぜサム・ジョーンズというシューターがいるのにシュートが上手でなければならないのか?ボブ・クージーはリバウンドとブロックに長けていた。チャンピオンになるということはチームメイトがそれぞれ得意な事に専念でき、そして自分自身もまた得意な仕事に専念できるという事だ。この教えは簡単なようで実は深遠。
良いコーチと偉大なコーチ
コーチは教師である。平凡なコーチは選手にああしろ、こうしろと手取り足取り教える。良いコーチはどうやって考えるか、そして選手としてバスケットボールをするのに必要最低限な基礎技術を教える。
良いコーチはどこに魚が居るかを教えてくれる。
偉大なコーチはどうやって魚を見つけるかを教えてくれる。
参考:Mamba Mentality
